令和元年度 須崎くろしお 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1 19 14 21 41 70 208 441 645 297
【定義】
・集計期間内に退院した患者様を集計の対象としています。
・年齢は、10歳刻みで集計(0歳台は0歳以上10歳未満を指します)。
・年齢は、入院日の満年齢となります。
・年齢階級は、90歳以上を1つの階級として設定しています。

【解説】
 当院における平成31年度の退院患者数は1757人で、前年度(1805人)より48人減少しています。平均年齢は77.5歳(男性74.8歳、女性79.5歳)でした。当院で最も退院患者が多かった年齢階級は、80歳から89歳の患者であり、退院患者全体の36.7%を占めています。
 また、60歳以上の患者は、退院患者全体の90.6%、70歳以上の患者では、退院患者全体の78.7%を占めています。当院でも地域社会の高齢化が反映され、高齢者の比率が非常に高い結果となっています。一方で40歳代以下に限ると5.5%となっています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100380xxxxxxxx 脱水症 54 23.76 9.13 7.41 83.81
050130xx99000x 心不全 手術なし 処置1、2なし 副傷病なし 50 28.14 17.71 14.00 86.48
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 副傷病なし 31 20.65 6.19 16.13 86.13
110310xx99xx0x 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 25 27.56 12.58 12.00 85.08
0400801499x012 肺炎等(市中肺炎 75歳以上) 手術なし 処置2なし 副傷病あり A-DROP(2) 24 20.92 18.27 8.33 89.63
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは 異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている平成31年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。

【解説】_内科
 平成31年度の内科の退院患者数は、638名(前年度より2名増加)でした。最も多い症例は、70歳以上の高齢者(平均年齢83.81歳)の脱水症治療です。全国の平均在院日数が9.13日に対し、当院では23.76日と入院期間が長期になっていますが、自宅への在宅復帰が約半数を占めています。
 次いで、症例数が多いのは心不全治療です。こちらも平均年齢が80歳を超えており、平均在院日数も28.14日(前年度35.02日)と全国の平均在院日数(17.71日)より長期になっています。これは、急性期の治療を終えて、回復期リハビリテーション病棟等での在院日数も含むためです。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置等1,2なし 副傷病なし 29 10.69 8.89 6.90 71.86
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし 20 8.45 5.39 - 53.55
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 処置1、2なし 18 40.50 14.62 11.11 79.33
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 16 13.31 7.65 6.25 59.63
110310xx99xx0x 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 12 12.00 12.58 16.67 81.42
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは 異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている平成31年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。


【解説】_外科
 平成31年度の外科の退院患者数は、413名(前年度より43名増加)でした。最も多い症例はイレウス(腸閉塞)での入院です。イレウス(腸閉塞)とは、何らかの原因で、腸の中で食べ物や消化液など内容物の流れが止まってしまう状態で、腹痛や嘔吐などの症状が現れます。当科に入院される患者様は、平均年齢が71.86歳で、救急搬送による入院は8症例(27.59%)となっています。緊急手術が必要となる場合もありますが、当院では薬物治療などの保存療法が多いのが特徴です。
 次に多い疾患は、ウイルス性腸炎による入院で、抗生剤投与等により軽快退院されています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 手術なし 副傷病なし 51 44.27 19.40 5.88 81.80
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 46 67.85 25.94 15.22 85.02
070230xx01xxxx 膝関節症 人工関節再置換術等 36 44.36 23.56 - 78.58
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症 人工関節再置換術等 14 45.79 21.53 - 75.64
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 処置2なし 13 47.85 19.59 23.08 87.15
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは 異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている平成31年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。


【解説】_整形外科
 平成31年度の整形外科の退院患者数は、338名(前年度より33名減少)でした。
最も多い症例は、胸椎・腰椎骨折で70歳以上の割合が92.16%、平均在院日数は44.27日となっています。回復期リハビリテーション病棟等への転棟患者様が多い為、全国の平均在院日数(19.40日)より長期になっています。
 高齢化社会を迎えて、関節障害(変形性関節症や関節リウマチによる)により関節が著しく変形し、歩行や日常生活が困難になっている患者様や、転倒による骨折も増加しています。膝関節や股関節の人工関節置換術は、除痛や歩行能力の向上に期待の持てる優れた手術で、術後成績も安定しています。
当院では、クリニカルパスを使用して、医療の標準化と平均在院日数の見直しを図っており、術後のリハビリ治療も一貫したリハビリテーション提供体制をとり、在宅復帰に向けた治療を継続的に行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 処置2なし 副傷病なし 12 5.17 7.10 - 66.50
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫 JCS10未満 手術なし 処置1,2なし 副傷病なし 8 48.75 18.81 25.00 71.50
010060x0990200 脳梗塞(発症4日目以降 無症候性かつJCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2:脳血管疾患等リハあり 副傷病なし RankinScale3~5 7 80.00 20.85 28.57 84.57
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 処置2なし 副傷病なし 4 25.50 11.86 25.00 72.75
010060x2990400 脳梗塞(発症3日目以内かつJCS10未満) 手術なし 処置1なし 処置2:ラジカットあり 副傷病なし RankinScale3~5 3 22.67 19.66 - 77.33
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは 異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている平成31年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。


【解説】_脳神経外科
 平成31年度の脳神経外科の退院患者数は、85名(前年度より8名増加)でした。最も多い症例は、てんかんで全症例の14.12%を占めています。
 次に多いのが脳内出血(非外傷性)です。他院からの引き続きのリハビリ目的での転院が多い傾向にあり、平均在院日数が若干長期となっています。
 脳梗塞に対しては、病態に応じてエダラボン(ラジカット)療法もしくは早期からリハビリでの機能回復訓練を行い、在宅へ復帰できるよう支援しております。なお、脳梗塞は発症時期や重症度、治療内容により非常に多くの診断群分類(DPCコード)に分類されます。
 また、脳梗塞のデータに関しては、「⑤脳梗塞の患者数」もご参照ください。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 227 2.02 2.78 - 76.82
02006xxx97xxxx 眼の良性腫瘍 手術あり 18 2.17 3.32 - 65.72
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり 12 2.50 3.08 - 76.83
02001xxx97x0xx 角膜・眼及び付属器の悪性腫瘍 手術あり 処置2なし 7 2.29 7.96 - 80.00
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 6 3.00 5.09 - 78.83
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは 異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている平成31年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。


【解説】_眼科
 平成31年度の眼科の退院患者数は、283名(前年度より68名減少)でした。眼科の入院は手術目的が多く、最も症例数が多いのは白内障です。全症例数の8割近くを占め、平均年齢は76.9歳(男性77.6歳・女性76.4歳)です。高齢の患者様が多いですが、高齢でも手術が可能であり、視機能の改善が期待できます。
 また、腫瘍疾患の治療では県内唯一の眼腫瘍を専門とする医師による手術を行っています。悪性の場合は高知大学医学部附属病院と連携して、治療を継続しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
【解説】_小児科
 今年度は、該当がありません。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 2 1 - 1 1 3 1 8
大腸癌 1 - - 2 2 4 1 8
乳癌 - - - - - 3 1 8
肺癌 1 - - 3 1 15 1 8
肝癌 - - 1 1 - 5 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・5大癌とは、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌になります。
・UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、(1)原発巣の大きさと進展度、(2)所属リンパ節への転移状況、(3)遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
・集計対象期間中に複数回入院された患者様も、1例としてカウントしています。

【解説】
 最も症例数が多いのが肺癌です。肺癌の初発症例の延入院数は5件、再発症例は15件となっています。主な診療科は、内科と外科です。
 続いて症例数が多いのが、大腸癌です。初発症例の延入院数は5件です。
 再発症例が多くなっているのは、当院が緩和ケア病棟を有しており、他院での初発治療を終えて、緩和治療へ移行して当院へ転院してこられる症例が多いことを示しています。緩和ケア病棟では、専任の医師、看護師およびコメディカルの多職種で構成されたチームが中心となり、患者様へのサポートを全力で行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 30.00 60.50
中等症 77 23.69 86.75
重症 9 26.22 83.00
超重症 - - -
不明 - - -
【定義】
・重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(*A-DROPスコア)を用いています。
・市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
・細菌による肺炎の集計であり、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や、食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは集計対象外となっています。また、小児肺炎も集計対象外となります。
・A-DROPスコアとは、下記の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目に該当すれば2点というように計算し評価点数をつけます(5点満点)。評価点数が高ければ重症となります。
 ●A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
 ●D(Dehydration=脱水):BUN21mg/dL以上または脱水あり
 ●R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
 ●O(Orientation=見当識):意識障害あり
 ●P(Pressure=血圧):収縮期血圧90mmHg以下

 軽症:0点の場合。
 中等症:1~2点の場合。
 重症:3点の場合。ただし、意識障害(ショック)であれば1点でも重症とする。
 超重症:4~5点の場合。
 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

【解説】
 全98件の内訳は、軽症12件(12.24%)、中等症77件(78.57%)、重症9件(9.18%)、超重症0件となっており、人工呼吸管理が必要な症例は2件でした。
 年齢が高いほど重症度が高くなり、治療に要する期間も長くなる傾向があります。軽症~超重症ともに、80歳以上の方が多く、慢性の基礎疾患があるなど、肺炎の治療だけではないため在院日数も長くなります。なお、成人市中肺炎診療ガイドラインでは、軽症の場合は外来治療となっていますが、軽症であっても既往等で重症化が危惧される場合は、入院となるケースもあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 36 33.61 78.44 16.67
その他 18 66.28 79.83 16.67
【定義】
・脳梗塞等の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率別に示しています。
・脳梗塞のICD10コードであるI63$の症例について集計しています。
・ICD10コードとは、国際疾病統計分類-第10回修正(ICD10)に基づいて、様々な傷病名が分類され、コード化されています。WHO(世界保健機関)により1990年に採択された国際基準です。

【解説】
 全体の66.67%の患者さんが発症日から3日以内に受診されています。
 当院では、早期治療にあわせて、早期離床、早期リハビリテーション開始につなげて、ADL(日常生活動作)障害の軽減、在宅復帰に努めています。また当院では回復期リハビリテーション病棟を有しており、切れ目のない治療継続を提供しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2㎝未満) 11 0.36 2.36 - 70.90
K5972 ペースメーカー移植術・交換術 5 1.40 21.20 20.00 88.00
K654 内視鏡的消化管止血術 3 1.00 22.33 66.67 84.67
K7212 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2cm以上) 2 0.50 3.00 - 76.00
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。

【解説】_内科
 平成31年度の内科の手術件数は、30症例(前年度より18症例減少)でした。最も症例数が多いのは、内視鏡的大腸ポリープ切除術です。外来でのポリープ切除後に経過観察目的の短期入院が一般的です。
 ペースメーカー植込み(移植)及び交換術(電池交換)の症例も5症例ありました。ペースメーカー植込みの適用には、洞結節の異常で、洞結節からの興奮が起こらない、または起こりにくい状態や、刺激伝導系の途中が切れて心室に興奮が伝わらないなどにより、脈が遅くなる疾患があります。ペースメーカーはこのような徐脈性不整脈における調律の異常を補整します。移植・交換術ともおおよそ2週間程度の入院となっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術 7 3.00 15.14 28.57 70.00
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 5 1.40 8.40 - 72.20
k7182 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 4 0.75 9.25 - 42.75
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2㎝未満) 3 0.67 1.33 - 74.00
K672 胆嚢摘出術 2 1.50 28.00 50.00 76.50
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。


【解説】_外科
 平成31年度の外科の手術件数は、30症例でした。2番目に症例数が多い、ヘルニア手術(鼡径ヘルニア)では、クリカルパスを使用し、術後経過も良好です。
 また、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ切除術の症例数も多く、切除後の出血に対応するため、原則として1泊入院をして頂いております。1泊2日または症状により2泊3日での入院が典型的な症例です。
 胆嚢摘出術では、全身麻酔下での開腹胆嚢摘出術の症例が2件になります。急性胆のう炎や、胆石性急性胆のう炎に対し、抗生剤投与などの保存療法を行いますが、症状の改善がない場合は、手術療法とし術後成績も安定しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 56 2.18 42.71 1.79 78.18
K0461 骨折観血的手術(大腿・上腕) 42 4.12 59.91 14.29 83.62
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿、舟状骨) 21 3.00 43.95 4.76 75.48
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 12 4.83 65.67 8.33 83.25
K0463 骨折観血的手術(足・膝蓋骨・指(手、足)その他) 5 4.60 39.40 - 69.20
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。


【解説】_整形外科
 平成31年度の整形外科の手術件数は、177症例(前年度と同じ)でした。変形性股関節症や変形性膝関節症に対する人工関節置換術が56件と最も多く、70代以上が85.71%を占めています。クリニカルパスを使用し、早期の在宅復帰を支援しています。
また、手外科専門医による手根管症候群に対する手術も行っており、1泊2日の短期入院が一般的です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 4 1.25 22.75 25.00 72.75
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。


【解説】_脳神経外科
 平成31年度の脳神経外科の手術件数は、4症例でした。慢性硬膜下血腫に対する慢性硬膜下血腫洗浄・除去術とは、慢性硬膜下血腫に対して、頭蓋から血腫を洗浄除去する手術です。高齢者の転倒による症例が多く、入院後緊急での手術となることも少なくありません。術後には一定期間リハビリを行い、軽快退院されています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・その他のもの) 232 0.03 1.01 - 76.97
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) 12 0.17 1.33 - 76.83
K216 眼瞼結膜悪性腫瘍手術 9 0.11 1.11 - 77.89
K225-2 結膜腫瘍摘出術 5 0.20 1.40 - 57.40
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) 4 - 1.00 - 83.50
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。


【解説】_眼科
 平成31年度の眼科の手術件数は、281症例(前年度より59症例減少)でした。眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術が集計対象件数の大半(232件/全体の83.27%)を占めています。クリニカルパスを使用し、1泊2日入院が典型的な症例です。また、両眼に白内障を患っている患者様は、片眼の手術後に一旦退院し、後日再入院して反対側の眼の手術を受けられることが多いです。
 また、県内唯一の眼腫瘍専門医による眼瞼結膜腫瘍手術(悪性も含む)も21症例あります。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
【解説】_小児科
 今年度は、該当がありません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 3 0.17
180010 敗血症 同一 3 0.17
異なる 5 0.28
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.06
異なる 1 0.06
180040 手術・処置等の合併症 同一 7 0.40
異なる 1 0.06
【定義】
・DPCコードは、6桁で集計しています(治療方法は分類に関連しません)。
・入院契機とは、入院の契機となった病気(入院契機病名)であり、DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
・「同一」とは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表し、「異なる」とは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、若しくは入院中に発症した違う病気(この指標では、播種性血管内凝固や敗血症、手術・処置などの合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。
・播種性血管内凝固や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(=入院医療費が高くなる)ため、臨床的に根拠のある診断でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われかねないDPC病名とされています。

【解説】
●播種性血管内凝固症候群
 DICと呼ばれ、様々な重症の基礎疾患のために過剰な血液凝固反応活性化が生ずるため生体内の抗血栓性のコントロールが十分でなくなり、全身の細小血管内で微小血栓が多発して臓器不全や出血傾向がみられる重症の病気です。
●敗血症
 体のある部分で感染症を起こしている場所から、血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす全身性感染です。
●真菌感染症
 真菌によって引き起こされる感染症です。
●手術・処置等の合併症
 手術や処置などの後、それらが基になって起こることがある病気です。全ての患者様に一定の割合で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。

 『播種性血管内凝固』」の出現率は、3症例(0. 17%)となっており、昨年度(8症例/0.44%)より減少しています。全て、入院の契機となった傷病名と異なる症例となっており、入院後に血小板減少や貧血が進行し、リコモジュリンを数日間投与することにより軽快しています。
当院では、DPCコードを「播種性血管内凝固」とする場合は、厚生労働省DIC診断基準によるDICスコアや、実施された治療内容および検査値等の推移を総合的に判断し、臨床的に根拠のある診断に基づくDPCコーディングを行っています。
 『敗血症』では、入院時に敗血症と診断され、緊急入院となった重篤な症例が3症例。また入院後に敗血症と診断されている方は、治療にも関わらず全身状態が改善せず、入院時の肺炎や、胃腸炎、イレウス等から敗血症へ移行している患者様でした。
『敗血症』も『播種性血管内凝固』と同様に敗血症ガイドラインを基準に適正な診療報酬請求を行っています。
 『手術・処置等の合併症』の出現率は、8症例(38.09%)となっており、昨年度の出現率(5症例/0.28%)より増加しています。そのうち7症例は入院の契機と同一となっています。THA後の再脱臼やTKA後の感染が多く、次いでカテーテル敗血症の症例がありました。TKA術後感染の要因の一つとして、糖尿病のコントロール不良や腎症が考えられる症例が大半でした。
 なお、手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って治療を行っていますが、起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者様に説明したうえで、手術や処置の施行に対し同意を頂くよう努めています。
更新履歴
2020/9/16
初版 作成・公開