令和2年度 須崎くろしお 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1 8 17 21 28 66 150 382 552 295
【定義】
・集計期間内に退院した患者様を集計の対象としています。
・年齢は、10歳刻みで集計(0歳台は0歳以上10歳未満を指します)。
・年齢は、入院日の満年齢となります。
・年齢階級は、90歳以上を1つの階級として設定しています。

【解説】
 当院における令和2年度の退院患者数は1520名で、前年度(1757名)より237名減少しています。
 平均年齢は78.32歳(男性74.58歳、女性81.36歳)でした。当院で最も退院患者が多かった年齢階級は、80歳から89歳の患者であり、退院患者全体の36.32%を占めています。
 60歳以上の患者は、退院患者全体の90.72%、70歳以上の患者では、退院患者全体の80.86%を占めています。また、100歳以上の退院患者数も15名(男性2名、女性13名)となっており、当院でも地域社会の高齢化が反映され、高齢者の割合が高いのが特徴です。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 57 19.88 13.00 7.02 83.35
050130xx9900xx 心不全 手術・処置なし 55 32.60 17.23 5.45 88.13
100380xxxxxxxx 脱水症 45 27.73 10.51 8.89 81.62
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術・処置なし 24 40.88 20.51 12.50 88.13
130090xx97x0xx 貧血(その他)手術あり 処置2なし 16 9.44 10.51 12.50 82.25
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、
 同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている令和2年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。

【解説】_内科
 令和2年度の内科の退院患者数は、600名(前年度638名より38名減少)でした。
 最も多い症例は、「腎盂腎炎」「尿路感染症」です。“尿路感染症”とは、腎臓から尿道までの尿路に起こる感染症の総称です。平均年齢83.35歳と高齢者に多い疾患です。
 次いで、症例数が多いのは「心不全」です。“心不全”とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態で、息切れ・呼吸困難・むくみなどの症状が見られます。こちらも平均年齢が80歳を超えており(88.13歳)、平均在院日数も32.60日(前年度28.14日)と全国の平均在院日数(17.23日)より長期になっています。状態にもよりますが、症状が安定したら、安静による筋力低下・生活能力低下に対し、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟で十分なリハビリテーションを行うことから、在院日数が全国平均より長期となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術・処置・副傷病なし 27 12.70 9.08 7.41 72.92
100380xxxxxxxx 脱水症 19 28.89 10.51 26.32 82.00
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 18 32.17 13.00 22.22 80.83
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 17 33.76 12.87 11.76 85.82
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 14 22.79 7.74 - 71.57
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、
 同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている令和2年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。

【解説】_外科
 令和2年度の外科の退院患者数は、394名(前年度413名より19名減少)でした。
 最も多い症例は「イレウス(腸閉塞)」での入院です。“イレウス(腸閉塞)”とは、何らかの原因で、腸の中で食べ物や消化液など内容物の流れが止まってしまう状態で、腹痛や嘔吐などの症状が現れます。平均年齢が72.93歳で、救急搬送による入院は2名となっています。緊急手術が必要となる場合もありますが、当院では薬物治療などの保存療法が多いのが特徴です。
 次いで症例数が多いのは、「脱水症」による入院です。平均年齢82.00歳と高齢者が多いですが、治癒・軽快の割合が高い(94.74%)のも特徴です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む)手術なし 52 41.15 18.81 9.62 84.21
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む)人工関節再置換術等 39 42.10 23.36 - 79.1
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 30 57.23 25.09 13.33 82.57
160800xx99xxxx 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 22 31.14 15.20 54.55 84.18
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術・処置等2なし 14 44.07 19.06 - 82.5
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、
 同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている令和2年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。

【解説】_整形外科
 令和2年度の整形外科の退院患者数は、311名(前年度338名より27名減少)でした。
 最も多い症例は、前年度と同様に「胸椎・腰椎骨折」で70歳以上の割合が92.31%、平均在院日数は41.15日となっています。回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟への転棟が多いことから、全国の平均在院日数(18.81日)より在院日数が長期になっています。
 高齢者に多い骨折(大腿骨、前腕)の症例では、他院からの手術後のリハビリ目的で転院された場合の保存療法の症例が多いのも特徴です。
 また、2番目に症例数の多い「膝関節症」ではクリニカルパスを使用して、医療の標準化と平均在院日数の見直しを図っており、術後のリハビリ治療も一貫したリハビリテーション提供体制をとり、自宅への軽快退院は100%と高い在宅復帰率が特徴です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術・処置・副傷病なし 8 42.88 18.86 12.50 71.63
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術・処置・副傷病なし 6 4.33 8.18 - 80.83
010060x0990200 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性かつJCS10未満)手術なし 手術・処置等2 2あり 副傷病なし 発症前RankinScale3~5 5 61.60 19.87 40.00 83.40
010230xx99x00x てんかん 手術・処置・副傷病なし 4 13.25 7.48 25.00 78.00
010060x2990420 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内かつJCS10未満)手術なし 手術・処置等2 4あり 副傷病2あり 発症前RankinScale3~5 3 175.33 30.86 33.33 80.33
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、
 同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている令和2年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。

解説】_脳神経外科
 令和2年度の脳神経外科の退院患者数は、83名(前年度85名より2名減少)でした。
 最も多い症例は、「脳内出血(非外傷性)」です。他院からの引き続きのリハビリ目的での転院が全体の約半数を占め、平均在院日数が若干長期となっています。また、「脳梗塞」は48名で全体の約半数以上ですが、発症時期や重症度、治療内容により細分類されています。
 脳梗塞に対しては、病態に応じてエダラボン(ラジカット)療法もしくは早期からリハビリでの機能回復訓練を行い、在宅へ復帰できるよう支援しております。
 また、脳梗塞のデータに関しては、「⑤脳梗塞の患者数」もご参照ください。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 101 2.02 2.76 - 78.29
02006xxx97xxxx 眼の良性腫瘍 手術あり 16 2.06 3.37 - 71.56
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり 4 2.00 3.22 - 74.25
02001xxx97x0xx 角膜・眼及び付属器の悪性腫瘍 手術あり 処置等2なし 3 2.33 7.75 - 80.33
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 2 3.00 4.95 - 73.50
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、
 同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている令和2年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。

【解説】_眼科
 令和2年度の眼科の退院患者数は、132名(前年度283名より151名減少)でした。
 眼科の入院は手術目的が多く、最も症例数が多いのは「白内障」です。
 白内障は全症例数の78.79%を占め、平均年齢は78.29歳(男性79.03歳・女性77.66歳)です。患者様のQOLを考慮し、片眼ずつ1泊2日の入院が基本となり、高齢の患者様が多いですが、高齢でも手術が可能であり、視機能の改善が期待できます。
 また、腫瘍疾患の治療では県内唯一の眼腫瘍を専門とする医師による手術を行っています。悪性の場合は高知大学医学部附属病院と連携して、治療を継続しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
今年度は、該当がありません。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 2 - - - 3 4 1 7
大腸癌 4 - - 2 2 4 1 7
乳癌 - - - - - 2 1 7
肺癌 2 - - - 2 11 1 7
肝癌 - - 2 - 1 8 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・5大癌とは、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌になります。
・UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、
(1)原発巣の大きさと進展度(2)所属リンパ節への転移状況(3)遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
・集計対象期間中に複数回入院された患者様も、1例としてカウントしています。

【解説】
 最も症例数が多いのが、前年度と同様に「肺癌」の15件です。肺癌の初発症例の延入院数は4件、再発症例は11件となっています。主な診療科は、外科です。
 次いで症例数が多いのが、「大腸癌」の12件です。初発症例の延入院数は8件、再発症例4件となっています。
 再発症例が多くなっている(29件/59.18%)のは、当院が緩和ケア病棟を有しており、他院での初発治療を終えて、緩和治療へ移行して当院へ転院してこられる症例が多いことを示しています。緩和ケア病棟では、専任の医師、看護師およびコメディカルの多職種で構成されたチームが中心となり、患者様へのサポートを全力で行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 8 8.63 50.50
中等症 40 29.23 82.38
重症 6 34.67 88.83
超重症 1 20.00 77.00
不明 - - -
【定義】
・重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(*A-DROPスコア)を用いています。
・市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
・細菌による肺炎の集計であり、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や、食べ物の誤嚥による肺炎、
 気管支炎などは集計対象外となっています。また、小児肺炎も集計対象外となります。
・A-DROPスコアとは、下記の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目に該当すれば2点というように計算し評価点数をつけます(5点満点)。
 評価点数が高ければ重症となります。
 ●A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
 ●D(Dehydration=脱水):BUN21mg/dL以上または脱水あり
 ●R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
 ●O(Orientation=見当識):意識障害あり
 ●P(Pressure=血圧):収縮期血圧90mmHg以下

 軽症:0点の場合。
 中等症:1~2点の場合。
 重症:3点の場合。ただし、意識障害(ショック)であれば1点でも重症とする。
 超重症:4~5点の場合。
 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

【解説】
 全55件の内訳は、軽症8件(14.55%)、中等症40件(72.73%)、重症6件(10.91%)、超重症1件(1.82%)となっており、人工呼吸管理が必要な症例は2件でした。
 重症または超重症は全体件数の12.73%を占め、平均年齢は87.14歳となっています。年齢が高いほど重症度が高くなり、治療に要する期間も長くなる傾向があります。軽症~超重症ともに、80歳以上の方が多く、慢性の基礎疾患があるなど、肺炎の治療だけではないため在院日数も長くなります。なお、成人市中肺炎診療ガイドラインでは、軽症の場合は外来治療となっていますが、軽症であっても既往等で重症化が危惧される場合は、入院となるケースもあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 42 61.24 81.74 7.14
その他 20 42.30 78.90 20.00
定義】
・脳梗塞等の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率別に示しています。
・脳梗塞のICD10コードであるI63$の症例について集計しています。
・ICD10コードとは、国際疾病統計分類-第10回修正(ICD10)に基づいて、様々な傷病名が分類され、コード化されています。
 WHO(世界保健機関)により1990年に採択された国際基準です。

【解説】
 全体の67.74%の患者さんが発症日から3日以内に受診されています。治癒・軽快退院の割合は、91.94%と高く、自宅への退院も66.13%(発症から3日以内受診の自宅退院は59.52%)と高いのが特徴です。
 当院では、早期治療にあわせて、早期離床、早期リハビリテーション開始につなげて、ADL(日常生活動作)障害の軽減、在宅復帰に努めています。また当院では回復期リハビリテーション病棟を有しており、切れ目のない治療継続を提供しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2㎝未満) 11 - 1.73 - 67.18
K5972 ペースメーカー移植術・交換術 6 1.00 13.50 - 85.83
K6871 内視鏡的乳頭切開術 5 5.20 12.80 - 84.40
K5223 食道狭窄拡張術 3 6.67 45.67 - 56.67
K654 内視鏡的消化管止血術 2 5.00 11.00 - 63.00
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。
・患者数が10未満の場合は、「令和3年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)と入力しています。

【解説】_内科
 令和2年度の内科の手術件数は、31件(前年度30件より1件減少)でした。
 最も症例数が多いのは、前年度と同様に「内視鏡的大腸ポリープ切除術」です。外来でのポリープ切除後に経過観察目的での短期入院が多いのが特徴です。
 次いで症例数が多いのは、「ペースメーカー移植術・交換術」です(6件)。ペースメーカー植込みの適用には、洞結節の異常で、洞結節からの興奮が起こらない、または起こりにくい状態や、刺激伝導系の途中が切れて心室に興奮が伝わらないなどにより、脈が遅くなる疾患があります。ペースメーカーはこのような徐脈性不整脈における調律の異常を補整します。移植・交換術ともおおよそ2週間程度の入院となっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術 7 3.86 15.00 - 81.43
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2㎝未満) 5 - 2.60 - 69.60
K672 胆嚢摘出術 4 5.25 17.50 - 73.75
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。
・患者数が10未満の場合は、「令和3年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)と入力しています。

【解説】_外科
 令和2年度の外科の手術件数は、64件(前年度30件より34件増加)でした。
 最も症例数が多いのは、「内視鏡的消化管止血術」です。
 また、大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ切除術の症例数も多く、切除後の出血に対応するため、原則として1泊入院をして頂いております。1泊2日または症状により2泊3日での入院が典型的な症例です。
 「胆嚢摘出術」では、全身麻酔下での開腹胆嚢摘出術の症例が4件になります。急性胆のう炎や、胆石性急性胆のう炎に対し、抗生剤投与などの保存療法を行いますが、症状の改善がない場合は、手術療法とし術後成績も安定しています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 49 1.29 43.18 - 78.84
K0461 骨折観血的手術(大腿・上腕) 23 3.91 61.91 17.39 83.26
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿、手舟状骨) 16 2.81 31.81 6.25 76.06
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 13 4.23 50.23 7.69 84.08
K0731 関節内骨折観血的手術(肩、股、膝、肘) 8 3.00 42.75 12.50 74.88
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。
・患者数が10未満の場合は、「令和3年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)と入力しています。

【解説】_整形外科
 令和2年度の整形外科の手術件数は、164件(前年度177件より13件減少)でした。
 変形性股関節症や変形性膝関節症に対する「人工関節置換術」が49件と最も多く、平均年齢は78.84歳と70代以上が85.71%を占めています。また、そのうち女性が70%を占めているのも特徴で、クリニカルパスを使用し、早期の在宅復帰を支援しています。
 また、高齢者に多い骨折(大腿骨・上腕)に対する「骨折観血的手術」も多く、骨折による日常生活機能低下を最小限にするため、急性期治療後は回復期ケア病棟または地域包括ケア病棟での十分なリハビリテーションを行っています。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
 今年度は手術患者数が10未満の為、「令和3年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)と入力しています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・その他のもの) 102 0.02 1.03 - 78.11
K215-2 眼瞼結膜腫瘍手術 11 0.09 1.00 - 73.09
K216 眼瞼結膜悪性腫瘍手術 4 0.25 1.00 - 82.75
K225-2 結膜腫瘍摘出術 2 - 1.00 - 59.00
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。
・患者数が10未満の場合は、「令和3年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)と入力しています。

【解説】_眼科
 令和2年度の眼科の手術件数は、130件(前年度281件より151件減少)でした。
 眼科では、白内障に対する手術である「水晶体再建術」が全体の78.46%を占めています。クリニカルパスを使用し、1泊2日入院が典型的な症例です。また、両眼に白内障を患っている患者様は、片眼の手術後に一旦退院し、後日再入院して反対側の眼の手術を受けられることが多いです。
 また、県内唯一の眼腫瘍専門医による眼瞼結膜腫瘍手術(悪性も含む)も15症例(全体症例の11.54%)あります。

小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
今年度は、該当はありません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 2 0.13
180010 敗血症 同一 4 0.26
異なる 12 0.79
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 5 0.33
異なる - -
定義】
・DPCコードは、6桁で集計しています(治療方法は分類に関連しません)。
・入院契機とは、入院の契機となった病気(入院契機病名)であり、DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。
・「同一」とは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表し、「異なる」とは、ある病気の診療目的で入院したが、併発していた、若しくは入院中に発症した違う病気(この指標では、播種性血管内凝固や敗血症、手術・処置などの合併症)による治療が主だったものになってしまったことを表します。

・播種性血管内凝固や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(=入院医療費が高くなる)ため、
 臨床的に根拠のある診断でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われかねないDPC病名とされています。

【解説】
●播種性血管内凝固症候群
 DICと呼ばれ、様々な重症の基礎疾患のために過剰な血液凝固反応活性化が生ずるため生体内の抗血栓性のコントロールが十分でなくなり、全身の細小血管内で微小血栓が多発して臓器不全や出血傾向がみられる重症の病気です。
●敗血症
 体のある部分で感染症を起こしている場所から、血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす全身性感染です。
●真菌感染症
 真菌によって引き起こされる感染症です。
●手術・処置等の合併症
 手術や処置などの後、それらが基になって起こることがある病気です。全ての患者様に一定の割合で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。

 『播種性血管内凝固』」の出現率は、0.13%(2件)で、前年度出現率0.17%(3件)より減少しており、全て、入院の契機となった傷病名と異なる症例となっています。
 入院後に血小板減少や貧血が進行し、リコモジュリンや抗生剤投与、輸血等の治療を行いましたが、改善なく2症例ともに死亡退院となってしまいました。
 当院では、DPCコードを「播種性血管内凝固」とする場合は、厚生労働省DIC診断基準によるDICスコアや、実施された治療内容および検査値等の推移を総合的に判断し、臨床的に根拠のある診断に基づくDPCコーディングを行っています。
 『敗血症』では、入院時に敗血症と診断され、緊急入院となった重篤な症例が4件(前年度は3件で1件増加)。また入院後の発症は12件あり、入院時の肺炎や、胃腸炎、イレウス等から敗血症へ移行している症例でした。
 『敗血症』も『播種性血管内凝固』と同様に敗血症ガイドラインを基準に適正な診療報酬請求を行っています。
 『真菌感染症』の発生は、0件です。
 『手術・処置等の合併症』の出現率は、0.33%(5件)となっており、昨年度の出現率0.46%(8件)より減少しています。5件ともに入院の契機と同一となっており、THA後の再脱臼やTKA後の感染が多くみられます。TKA術後感染の要因の一つとして、糖尿病のコントロール不良や腎症が考えられる症例もありました。
なお、手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って治療を行っていますが、起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者様に説明したうえで、手術や処置の施行に対し同意を頂くよう努めています。
更新履歴
2021/9/27
初版 作成・公開