令和4年度 須崎くろしお 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 4 7 8 16 39 98 302 405 263
【定義】
・集計期間内に退院した患者様を集計の対象としています。
・年齢は、10歳刻みで集計(0歳台は0歳以上10歳未満を指します)。
・年齢は、入院日の満年齢となります。
・年齢階級は、90歳以上を1つの階級として設定しています。
・10件未満の年齢階級においては「-」(ハイフン)で表示しています。

【解説】
 当院における令和4年度の退院患者数は1142名で、前年度(1555名)より413名減少しています。
コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響で、前年度より大幅に減少しています。
 平均年齢は79.9歳(男性77.8歳、女性81.6歳)でした。当院で最も退院患者が多かった年齢階級は、前年度同様に
80歳から89歳の患者であり、退院患者全体の36%を占めています。当院においても地域社会の高齢化が反映され、高齢者
の比率が非常に高い結果になっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 40 40.03 13.61 12.50 82.18
050130xx9900x0 心不全 手術・処置なし 転院以外 29 38.34 17.54 3.45 89.59
180030xxxxxx0x COVID-19 28 18.18 9.48 0 82.86
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置なし 12 14.33 5.70 0 77.67
0400801499x011 肺炎等(市中肺炎、75歳以上)手術・処置なし 副傷病あり A-DROPスコア1 11 32.36 17.31 0 87.45
【定義】
・DPCコードとは、診断群分類を表すコードです。傷病名と治療方法(手術や処置など)の組み合わせによって分類されますので、
 同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
・平均在院日数(自院)とは、病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
・平均在院日数(全国)とは、厚生労働省から公表されている令和4年度における全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
・転院率とは、当院から他の病院に移動して継続入院(転院)することとなった患者様の割合です。
・患者用パスとは、疾患ごとに作成された入院診療計画書です。当院では、入院時にお渡しするため、公開はしていません。
・集計結果の公表にあたり、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」にある「指標公開におけるフローチャート」を
 参照しています。

【解説】_内科
 令和4年度の内科の退院患者数は、400名で前年度(586名)より大幅に減少しています。
 最も多い症例は、「腎臓又は尿路の感染症」で、平均年齢は82.2歳です。高齢者が多く、70歳以上が85%を占めています。
平均在院日数も全国平均(13.61日)より長くなっていますが、9割近くが自宅または施設へ軽快退院されています。
 また、「新型コロナウイルス感染症」に関しては、入院協力医療機関として、徹底した感染対策を行い、前年度と同時に軽症および
中等症を中心に受入れをしております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100380xxxxxxxx 脱水症 18 56.83 11.15 5.56 79.56
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術・処置・副傷病なし 16 14.63 9.00 6.25 80.00
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 12 30.33 13.61 8.33 80.50
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術・処置なし 10 47.50 21.11 40.00 87.00
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし - 7.63 - -
【解説】_外科
 令和4年度の外科の退院患者数は、264名で前年度(364名)より減少しています。
 最も多い症例は「脱水症」で平均年齢は79.6歳で、70歳以上が88.9%を占めています。
 次いで症例数が多いのは、「イレウス(腸閉塞)」による入院です。緊急手術が必要となる場合もありますが、
当院では薬物治療が中心となります。平均年齢は80歳で、70歳以上が81.3%を占めています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 変形性膝関節症 人工関節置換術等 38 44.82 22.44 0 75.92
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷 手術なし 36 46.00 20.09 8.33 82.81
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術等 35 64.54 26.42 20.00 87.60
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、変形性股関節症 人工関節再置換術等 21 39.05 20.14 0 75.19
070343xx99x0xx 脊柱管狭窄(脊髄症を含む)腰部骨盤、不安定椎 手術・処置なし - - 13.78 - -
【解説】_整形外科
 令和4年度の整形外科の退院患者数は、264名で前年度(310名)より減少しています。
 整形外科全体の20.1%が大腿骨骨折症例(前年度とほぼ同等)であり、そのうち、手術を行った症例は79.3%です。
平均年齢は85.4歳で女性患者が約8割を占めています。
 最も多い症例は、前年度同様にクリニカルパスを使用した「変形性膝関節症」です。70歳以上の割合が73.4%であり、
手術目的の予約入院が9割で術後状態も安定しています。
 当院では、クリニカルパスを使用して、医療の標準化と平均在院日数の見直しを図っており、術後のリハビリ治療も一貫した
リハビリテーション提供体制をとり在宅復帰に向けた治療を継続的に行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障 水晶体の疾患 手術あり 片眼 145 2.03 2.63 0.69 78.34
02006xxx97xxxx 眼の良性腫瘍 手術あり - - 3.43 - -
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり - - 3.09 - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり - - 2.90 - -
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 処置・副傷病なし - - 8.09 - -
【解説】_眼科
 令和4年度の眼科の退院患者数は、162名で前年度(225名)より減少しています。
 眼科の入院は手術目的が多く、最も症例数が多いのは「白内障」です。白内障は全症例数の90.1%を占め、
平均年齢は78.4歳(男性77歳・女性78.9歳)です。高齢の患者様が多いですが、片眼ずつの短期入院が基本となり、
高齢の方でも手術が可能で視機能の改善が期待できます。自宅への軽快退院も100%と術後成績も安定しています。
 また、腫瘍疾患の治療では県内唯一の眼腫瘍を専門とする医師による手術を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞 3日以内かつJCS10未満 手術・処置・副傷病なし エダラボン RankinScale0~2 - - 15.97 - -
010060x0990200 脳梗塞 4日目以降かつJCS10未満 手術・処置・副傷病なし 脳血管リハ RankinScale3~5 - - 20.75 - -
【解説】_脳神経外科
 患者数上位5位までが全て10件未満の為、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、
「DPCコード」「DPC名称」「平均在院日数(全国)」のみ入力し、その他の項目は「-」(ハイフン)で表示しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
【解説】_小児科
今年度は、入院症例がありません。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 - - - - - - 1 8
乳癌 - -
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・5大癌とは、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌になります。
・UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた、(1)原発巣の大きさと進展度
(2)所属リンパ節への転移状況(3)遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)から
 Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
・集計対象期間中に複数回入院された患者様も、1例としてカウントしています。
・患者数が10未満の場合は、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)で表示しています。
 また、種類別の患者数が全て0件の場合は、「病期分類基準」と「版数」について「-」(ハイフン)で表示しています。

【解説】
 各癌における種類別の患者数が10件未満であり、「―」(ハイフン)で表示しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 36 33.56 86.69
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
【定義】
・重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システム(*A-DROPスコア)を用いています。
・市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。
・細菌による肺炎の集計であり、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎や、食べ物の誤嚥による肺炎、気管支炎などは
 集計対象外となっています。また、小児肺炎も集計対象外となります。
・患者数が10未満の場合は、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)で表示しています。
・A-DROPスコアとは、下記の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目に該当すれば2点というように計算し評価点数を
 つけます(5点満点)。評価点数が高ければ重症となります。

 ●A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
 ●D(Dehydration=脱水):BUN21mg/dL以上または脱水あり
 ●R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
 ●O(Orientation=見当識):意識障害あり
 ●P(Pressure=血圧):収縮期血圧90mmHg以下

 軽症:0点の場合。
 中等症:1~2点の場合。
 重症:3点の場合。ただし、意識障害(ショック)であれば1点でも重症とする。
 超重症:4~5点の場合。
 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

【解説】
 令和4年度の「肺炎」の症例件数は、40件で前年度(62件)より減少しています。
 最も多い症例は“中等症”で、全体件数の90.0%を占め、平均年齢は86.7歳と高齢者の入院が多くなっています。
 なお、軽症・重症の受入れもありますが、患者数が10未満であり、「-」(ハイフン)で表示しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 27 62.26 84.89 7.89
その他 11 82.45 81.09 0
【定義】
・脳梗塞等の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率別に示しています。
・脳梗塞のICD10コードであるI63$の症例について集計しています。
・ICD10コードとは、国際疾病統計分類-第10回修正(ICD10)に基づいて、様々な傷病名が分類され、コード化されています。
 WHO(世界保健機関)により1990年に採択された国際基準です。
・患者数が10未満の場合は、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)で表示しています。

【解説】
 令和4年度の脳梗塞の症例数は、38件で前年度(48件)より減少しています。
 全体の71.1%の患者さんが発症日から3日以内に受診されています。また78.9%は自宅等へ治癒・軽快退院されています。
「脳梗塞」とは脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまう病気で、発症から治療までの期間が短いと、実施できる治療法の幅が
広がります。早期発見、早期治療が重要となり、治療開始時期が早いほど治療成績が良く、後遺症のリスクも減らすことが出来
ます。当院では、早期治療にあわせて、早期離床、早期リハビリテーション開始につなげ、ADL(日常生活動作)障害の軽減、
在宅復帰に努めています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 62 2.77 40.47 0 75.98
K0461 骨折観血的手術(大腿、上腕、肩甲骨) 35 3.35 62.26 14.29 84.50
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 11 4.40 40.80 27.27 83.60
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) - - - - -
K037-2 アキレス腱断裂手術 - - - - -
【定義】
・診療科ごとの手術について症例数上位5位までを集計しています。
・Kコードとは、手術術式の点数表コードです。ただし、輸血は集計外です。
・平均術前日数とは、入院日から手術日までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・平均術後日数とは、手術日から退院までの日数の平均です。手術日当日は含まれません。
・創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術は除外しています。
・患者数が10未満の場合は、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、「-」(ハイフン)で表示しています。
・集計結果の公表にあたり、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」にある「指標公開におけるフローチャート」を参照
 しています。

【解説】_整形外科
 令和4年度の整形外科の手術件数は、157件で前年度(170件)より減少しています。
 変形性股関節症や変形性膝関節症に対する「人工関節置換術」が62件と最も多く、平均年齢は75.9歳と70歳以上が
77.4%を占めています。そのうち女性の割合が高いのも特徴で、クリニカルパスを使用し、早期の在宅復帰を支援しています。
 また、高齢者に多い骨折(大腿骨・上腕)に対する「骨折観血的手術」も多く、骨折による日常生活機能低下を最小限にするため、
急性期治療後は回復期ケア病棟または地域包括ケア病棟での十分なリハビリテーションを行っています。
 いずれの症例も、自宅や紹介元の施設への軽快退院率が高いのが特徴です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズ挿入あり) 142 0 1.03 0 78.22
K215-2 眼瞼結膜腫瘍手術 - - - - -
K224 翼状片手術 - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズ挿入なし) - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術 - - - - -
【解説】_眼科
 令和4年度の眼科の手術件数は、161件で前年度(223件)より減少しています。
 白内障に対する「水晶体再建術」が全体の90.1%を占めています。クリニカルパスを使用し、1泊2日入院が典型的な症例です。
また、両眼に白内障を患っている患者様は、片眼の手術後に一旦退院し、後日再入院して反対側の眼の手術を受けられることが多いのも
特徴です。「水晶体再建術」145件のうち、84.8%が両眼の手術となっています。
 また、県内唯一の眼腫瘍専門医による眼瞼結膜腫瘍手術(悪性も含む)も行っています。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術(長径2㎝未満) - - - - -
K6871 内視鏡的乳頭切開術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K735-2 結腸狭窄部拡張術 - - - - -
K5223 食道狭窄拡張術 - - - - -
【解説】_内科
 患者数上位5位までが全て10件未満の為、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、
「Kコード」「名称」のみ入力し、その他の項目は「-」(ハイフン)で表示しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(内視鏡下) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ切除術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K745 肛門周囲膿瘍切開術 - - - - -
【解説】_外科
 患者数上位5位までが全て10件未満の為、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、
「Kコード」「名称」のみ入力し、その他の項目は「-」(ハイフン)で表示しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
【解説】_脳神経外科
 患者数上位5位までが全て10件未満の為、「令和5年度病院情報の公表の集計条件等について」の記載に則り、
「Kコード」「名称」のみ入力し、その他の項目は「-」(ハイフン)で表示しています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
【解説】_小児科
 今年度は、手術症例がありません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.18
異なる 8 0.70
180010 敗血症 同一 5 0.44
異なる 8 0.70
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 0 0
180040 手術・処置等の合併症 同一 2 0.18
異なる 0 0
【定義】
・DPCコードは、6桁で集計しています(治療方法は分類に関連しません)。
・入院契機とは、入院の契機となった病気(入院契機病名)であり、DPC病名と入院契機病名が「同一」か「異なる」かにより分けて
 集計しています。
・「同一」とは、ある病気の診療目的で入院して、その病気の治療を行ったということを表し、「異なる」とは、ある病気の診療目的で入院
 したが、併発していた、若しくは入院中に発症した違う病気(この指標では、播種性血管内凝固や敗血症、手術・処置などの合併症)
 による治療が主だったものになってしまったことを表します。
・播種性血管内凝固や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(=入院医療費が高くなる)ため、臨床的に根拠のある診断
 でなければアップコーディング(不適切な入院医療費請求)を疑われかねないDPC病名とされています。


【解説】
① 播種性血管内凝固症候群
 DICと呼ばれ、様々な重症の基礎疾患のために過剰な血液凝固反応活性化が生ずるため生体内の抗血栓性のコントロールが十分で
なくなり、全身の細小血管内で微小血栓が多発して臓器不全や出血傾向がみられる重症の病気です。
 『播種性血管内凝固』の出現率は、0.88%(10症例)で、前年度症例数より増加しています。
 他疾患(急性胆のう炎、急性腎不全、骨折等)で入院となるも、経過中にDICを発症し、血液凝固阻止剤(リコモジュリン)や
抗生剤投与等の治療を行う症例が大半を占めています。
 当院では、DPCコードを「播種性血管内凝固」とする場合は、厚生労働省DIC診断基準によるDICスコアや、実施された治療内容
および検査値等の推移を総合的に判断し、臨床的に根拠のある診断に基づくDPCコーディングを行っています。

② 敗血症
 感染症が全身に波及して、生命を脅かすような臓器障害が生じ、重篤な全身症状を引き起こした状態です。
『敗血症』の出現率は、1.14%(13症例)で、前年度症例数より増加しています。
 入院時の重篤な肺炎や、腎盂腎炎等から敗血症へ移行している症例が大半ですが、抗生剤投与や厳重な全身管理により軽快退院されています。
 『敗血症』も『播種性血管内凝固』と同様に敗血症ガイドラインを基準に適正な診療報酬請求を行っています。

③ 真菌感染症
 真菌によって引き起こされる感染症です。

『真菌感染症』は、今年度は該当がありません。

④ 手術・処置等の合併症
 手術や処置などの後、それらが基になって起こることがある病気です。全ての患者様に一定の割合で起こり得るもので、
医療ミスとは異なります。
 『手術・処置等の合併症』の出現率は、0.18%(2症例)で、前年度より減少しています。いずれも入院契機が同一であり、合併症が
入院後に発生しているのではありません。
 なお、手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って治療を行っていますが、起こり得る合併症については、
事前に可能な限り患者様に説明したうえで、手術や処置の施行に対し同意を頂くよう努めています。
更新履歴
2023/9/29
初版 作成・公開